水溶性食物繊維はメタボリックシンドロームを抑制する？

水溶性食物繊維はメタボリックシンドロームにも効果的

慶應義塾大学薬学部とカイゲンファーマ株式会社は、海藻に含まれる食物繊維アルギン酸ナトリウムが腸内細菌を介してメタボリックシンドロームを抑制することを明らかにしました。

アルギン酸ナトリウムは昆布やわかめ、ひじき、もずくなどの褐藻類に含まれる多糖類で、水溶性食物繊維としても用いられています。

アルギン酸ナトリウムはコレステロールも減少させる

本研究では、抗菌剤で腸内細菌を撹乱させたマウスを使用し、オミックス解析を行うことにより、腸内細菌がアルギン酸ナトリウムによるメタボリックシンドローム抑制効果に必須であることを明らかにしました。また、高脂肪食を与えたマウスにアルギン酸ナトリウムを摂取させると、Bacteroides属菌が著明に増加することが分かりました。肥満モデル動物を用いた試験において、アルギン酸ナトリウムが体重増加を抑える、コレステロールを減少させるなどの効果も報告されています。さらに一部の腸内細菌がアルギン酸ナトリウムを栄養源として利用できることも明らかになっています。

腸内細菌は我々の代謝機能に影響を及ぼすことでも有名で、水溶性食物繊維を摂取することはダイエットにとても効果的なことがわかります。

これまでアルギン酸ナトリウムは食物由来の脂質や胆汁酸を物理的に吸収させることにより、体内への脂肪酸やコレステロールの吸収を抑える働きがあると言われていました。これにプラスしてメタボリックシンドロームの引き金となる腸管への炎症性マクロファージの浸潤を抑えることが新たに明らかになりました。

水溶性食物繊維は以上の効果の他にも、水に溶けやすい性質を持っていてゼリー状になり、小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑えたり、便を柔らかくすることで便通を促す働きがあります。過度なダイエットや減量は、腸内環境が乱れて体重の停滞、便秘を起こすことがあります。ダイエットと腸内環境はとても深い関係にあると同時に、水溶性食物繊維を適量摂取することで腸内環境の乱れを改善し、ダイエットと減量を加速させます。

水溶性食物繊維は海藻類のほかに、こんにゃく、しろきくらげ、らっきょうなどの食材にも多く含まれているので日々のお食事に水溶性食物繊維を取り入れてみてください！

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